2月はオーストラリア準備銀行(RBA)の政策決定を皮切りに、政策重視の展開で幕を開けます。一方、日本ではGDPやインフレ率の発表がマクロ経済の重要な指標となります。対照的に中国では春節の影響で経済カレンダーが閑散となるため、流動性や政策関連のニュースに注目が集まるでしょう。アジア地域全体では、米ドルの堅調さと金属価格の軟調さが、特に資源国通貨を中心にクロスアセットのパフォーマンスを左右する状況が続いています。
オーストラリア:RBA
2月のオーストラリア市場は、オーストラリア準備銀行(RBA)の金融政策決定を筆頭に、政策主導の展開となります。この決定が、金利、通貨、株式市場における月初の方向性を決定づけるでしょう。1月30日時点で市場は利上げの可能性を約70%織り込んでいましたが、今後のデータやRBAのコメント次第で期待値は大きく変動する可能性があります。
主要日程
- RBA金融政策決定:2月3日 午後2時30分(オーストラリア東部夏時間)
- 賃金価格指数(WPI):2月18日 午前11時30分(オーストラリア東部夏時間)
- 労働力調査:2月19日 午前11時30分(オーストラリア東部夏時間)
市場の注目点
豪ドル市場のトレーダーは、RBAがデータ重視の姿勢を維持するのか、それともより明確に引き締めへと舵を切るのかを見極めようとしています。
賃金および労働データはインフレの持続性を測る重要な指標となり、次回のCPI発表が3月以降のポジション形成の鍵を握ります。中立的またはややタカ派的なトーンが示されれば、短期金利は高止まりし、豪ドルの下値は限定的となる可能性があります。
市場の感応度
豪ドルおよびASXのパフォーマンスは、主にRBAの政策スタンスと米ドルの動向を反映する見通しです。また、資源関連セクターは引き続き金属やバルク商品のトレンドに連動するでしょう。
2月の決算シーズンでは、CBAとCSL(2月11日)、BHP(2月17日)、リオ・ティント(2月19日)の発表が注目されており、政策への関心が薄れた後は、個別銘柄の動向が市場の主導権を握ることになります。

オーストラリア:消費者物価指数(CPI)
オーストラリアの2月消費者物価指数(CPI)は、豪準備銀行(RBA)の政策決定後における重要な指標となります。国内のインフレ圧力が中央銀行の想定通りに緩和しているかどうかを判断する上で、最も明確な手がかりとなるでしょう。
このデータはRBAの2月の政策決定後に発表されるため、ASX先物価格に織り込まれている利上げ経路の確率を急速に塗り替える可能性があります。
主要日程
- 消費者物価指数(CPI): 2月25日 午前11時30分(オーストラリア東部夏時間)
市場の注目点
市場は、トリム平均値およびサービス関連のインフレ指標がさらなる鈍化を示しているかどうかに注目しています。
非貿易品や賃金関連セクターの根強い強さは、第1四半期後半の追加引き締め観測を強める可能性があります。一方で、ヘッドライン数値が予想を下回れば、政策金利がピークに達したという見方を裏付けることになるでしょう。
市場の感応度
予想を上回るCPI結果となれば、短期債利回りの上昇と豪ドルの押し上げ要因となる可能性が高い一方、予想を下回る結果となれば、通貨の重石となりイールドカーブのフラット化を招く可能性があります。
株式市場のセンチメントはセクターによって分かれる可能性があります。金融セクターは利上げ休止のバイアスから安心感を得る一方、不動産や一般消費財といった金利敏感セクターは、インフレの沈静化から最も恩恵を受けるでしょう。

日本:第4四半期GDP
日本の第4四半期GDPは、ここ数四半期にわたる不安定な成長モメンタムを経て、景気回復がどの程度着実に進んでいるかを測る重要な指標となります。東京CPIの発表に先駆けて公表されるこのデータは、内需や貿易収支の動向、そして政策当局が景気を腰折れさせることなく政策スタンスを調整する余地がどの程度あるのかを判断する材料となります。
主要日程
- 第4四半期GDP: 2月15日 午後11:50(GMT)/ 2月16日 午前10:50(AEDT)
市場の注目点
投資家は、成長が広範なものか、あるいは特定の要因に支えられたものかを判断するため、個人消費、設備投資、純輸出のバランスを注視しています。
予想を上回る結果となれば日本の景気拡大に対する信頼感が高まる一方、予想を下回れば停滞への懸念が再燃し、政策の大きな転換に対する期待が後退する可能性があります。
日本:東京都区部消費者物価指数(CPI)
1月の東京都区部CPI(総合)は前年同月比1.5%となり、2025年12月の2.0%から低下しました。パンデミック後の上昇局面で見られた直近のピークから、さらに水準を下げています。
このCPIは日本のインフレ動向を最も迅速に把握できる指標の一つであり、全国の物価トレンドを占う先行指標として注目されています。
月末に発表されるこの指標は、最近のインフレ上昇が政策当局の目標に沿った水準で維持されているかを確認する役割を果たします。
- 東京都区部CPI: 2月26日 午後11:30(GMT)/ 2月27日 午前10:30(AEDT)
市場の注目点
変動の激しい項目を除いたコア指数やサービス価格に注目が集まっており、基調的なインフレ率が目標付近を維持しているのか、それとも低下傾向にあるのかが焦点となります。
堅調な結果であれば日本が低インフレ体制から脱却しつつあるという見方が強まりますが、弱い結果であれば物価上昇圧力は依然として脆弱であり、外部要因に左右されやすい状況にあることを示唆します。
市場の反応
予想を上回る東京都区部CPIの結果は、日本の長期金利の上昇や円高を招く可能性があり、輸出関連銘柄には逆風となることが一般的です。
逆に、予想を下回る結果となれば金利上昇圧力が和らぎ、円安が進むことで、緩和的な政策環境の恩恵を受ける株式セクターには追い風となる傾向があります。

中国
中国の2月のマクロ経済カレンダーは、春節(旧正月)の時期の影響により、構造的に発表件数が少なくなっています。
中国国家統計局によると、一部の統計発表は春節の時期に合わせて調整されており、2月のPMIは3月初旬に予定されているため、市場は1ヶ月の大半において主要な国内データの拠り所を欠くことになります。
主要日程
- 春節: 2月17日~3月3日
市場の注目点
市場の関心は北京からの政策シグナルに向いています。具体的には、的を絞った景気刺激策や流動性供給のほか、世界的なリスクセンチメントや米ドル相場の動きに反応する資金調達環境や資金フローの変化が注目されます。
貿易や関税に関するレトリック、あるいは商務省が最近示唆した買い替え補助金の拡大や消費促進策といった不意の消費対策は、通常のデータ発表よりも市場を大きく動かす傾向があります。
市場の感応度
オフショア人民元(CNH)およびオンショア人民元(CNY)の通貨ペアは、米ドルのフローや海外のニュースに対して敏感に反応しやすくなり、地域の株式市場、豪ドルなどのコモディティ通貨、中国関連の新興国資産のボラティリティを増幅させることがよくあります。
連休で流動性が低下する中、ヘッドラインリスクが高まります。特に素材(鉄鉱石、銅)、ハイテクハードウェアのサプライチェーン、地域の金融セクターでは、政策のサプライズや米国の関税に関する最新情報によって、指数が1日あたり1~2%変動する可能性があります。






